C値は気密測定をしないと分からない
既に梅雨が終わったのか何なのかよく分からないぐらい厳しい暑さの日が続きますね。
空気感が、もう真夏の感じで先が思いやられます。
既に冷房を入れておられる方も多いとは思いますが、その冷房が全然効かなかったり、気流感が強く不快な環境になっていたりするお家も少なくは無いでしょう。
おまけに電気料金は、これからますます値上りするらしいので、これからお家を建てられる皆さんは、どうか少しの冷房で気流感なく心地いい室内環境を得られる建物を目指して建てて下さい。
さて、そういう室内環境の良い建物に欠かせないのが前回、前々回とテーマにしていた断熱・気密です。今回は、その気密の方にフォーカスして書いていこうと思います。
住宅の性能に関することの殆どの値は、計算上で決まります。例えば断熱性能を示すUA値や耐震性能を示す等級なんかは、計算して表すので現場での実測確認なんかはございません。
しかし、気密につきましては計算で示す事ができませんので、性能を確認する方法は現場での測定のみになります。
ですので、以前にもお伝えしているとは思いますが、気密測定をしていない建物で高気密を謳うのは間違いであり、謳ってはいけないと思います。
気密性能は一般的にはC値で示しますが、数字が小さいほど性能が良く、どれ位から高気密といえるのか?が基準が無いために判断が難しいようです。
何故、未だ法的な基準が無いのかは、さっぱり理解が出来ず理由も不明ですが、あしづかホームが数年間で何十件と取組ませて頂いた経験をもとに判断いたしますと、どう考えても最低ラインはC値=0.5です。
もちろん、0.5よりは0.3が良くて、0.3よりは0.1の良いに決まっているのですが、先ずは0.5という目標をクリアしなければ次には繋がらないと考えます。
0.5という値は決して難しいものでは無くて、高気密の施工を初めて行うビルダーさんであっても“施工順序を間違えずに丁寧にさえ施工を行えば可能”です。
そもそも、1.0を切ることが出来ているビルダーさんであれば、先程の2点をおさえておけば必ず0.5は切れます。
たまに同業者さんから「0.7より良くならないが、どうすれば気密が良くなりますか?」みたいな質問を受ける事がありますが、それは“順序を間違っているか丁寧でない”のいずれかですので、施工方法の見直しを行い現場との情報共有をしっかり行う事を再確認していくという単純な方法しかありません。
その確認の積み重ねで0.2や0.1といった水準に精度が上がっていくものだと思います。
温暖化やエネルギー料金の高騰など不安材料が多い時代になってきておりますが、建物性能によって、その不安の大きさも異なりますので、先ずは気密測定を行っているビルダーで本当の高気密高断熱住宅というものを知って頂きたいです。
蘆塚
2022.06