高性能な眼科医院についてもう少し
前回の内容で、高性能な眼科医院を建築中という事を書かせて頂きましたが、今回は、もう少しその建物についてふれていきたいと思います。
その建物の場所は、滋賀県長浜市になります。長浜市は滋賀県北部で県内では寒いエリアとされていまして、あしづかホームのある南部と比べると気候に結構な違いがあります。
特に冬場の積雪量は、北部では1日に40cmほど積もるような時もあるぐらいですが、南部では同じ日であったとしても、全く降っていないということも珍しくは無く、感覚としては北陸地方と近畿地方というぐらいの差があります。
それぐらいの差があるにも関わらず、行政が定める省エネ基準地域区分は同じ5地域にあたりますし、実際に建っている建物の断熱仕様も北部と南部でさほど変わりないように思います。
そういう比較的寒いエリアになりますので、本来は断熱・気密性能に気を遣いたいところではありますし、これから先の事を考えると、尚更、そこに妥協はしたくないです。
ということで、出来る限りハイスペック化を図るつもりで計画を進めていくわけですが、物事は得てして思い通りに進まないものです。
実は、今回の建設地は滋賀県では珍しく準防火地域であるという事と、敷地形状は間口が比較的狭く縦長で、かつ北側道路という条件になります。
多分、普段から温熱について意識されている人であれば、お判りかと思いますが、条件としましては、あまり良くはありません。
医院は目や身体が不自由な方も含め不特定多数が来られる場所になるので、今回の場合ですと、入り口は、車いすの人なども入りやすい北側に位置し待合スペースも北側にくるのが自然の流れとなります。
そうなると必然として、待合から南側は、診察やオペ室が入る事になります。眼科医院の場合は、そういったスペースに日射取得は基本不要というか、むしろ、あってはいけないという扱いですので、普段の住宅とはセオリーが異なる部分もあり、なかなか難しい面がでてきます。
しかし、そこで温熱環境の事を諦めて簡単な方法を選択するという事はありませんので、その条件の中で最大限試行錯誤をして高性能化を目指しました。
立地条件や建物の使用目的からすると、日射取得という事が期待できませんので、外皮強化は絶対条件であります。
その結果、以下のような仕様で進めております。
・断熱仕様/屋根:高性能グラスウール330mm 壁:高性能グラスウール210mm 基礎:EPS100mm(底板50mm)
・窓/木製防火トリプルガラス(アルミクラッド)NORD製
・換気システム/第1種熱交換型
・UA値=0.2
あしづかホームでスタンダード化している断熱等級7のスペックは満たす事が出来ております。建物面積が240㎡超と比較的大きいのでUA値は、有利には働きますが、それでも、なかなかの仕様で進められたのではないかと考えています。
今後も、進捗をお伝えしていこうと思いますので宜しくお願い致します。
蘆塚
2024.02