電気代が高いですね

昨年あたりから、ようやく電気料金高騰について、世間一般的に関心を持つようになってきた感じがします。

電気料金が値上りしたという話は、私の身近なところでも本当によく聞くようになりました。あしづかホームで過去に施工致しました宇治田原パッシブハウスでも2022年12月は前年の同月と比べて殆ど同じ使用量(むしろ少し減っている)にも関わらず3,200円程値上りしております。超高性能なパッシブハウスなので、それぐらいで済んでいますが、性能が悪い建物ですと、さらにその価格差はひらくでしょう。

しかし、その値上りに対して、どのように向き合うか?と考えた時に殆どの答えが、屋根に太陽光発電を載せようか?又は、今よりもお得な電力会社は無いか?みたいな発想で、今後更に値上りしていくと思われる事態の根本的な解決策にはなっていないように思います。

太陽光発電を自前で持つことは、持たないよりは当然良い事ですが、そもそも設置することに費用がかかります。そして、現在の電力会社がつくるルールの上では、電力会社に従うしかなく夏場の余剰電力は格安で引き取られ、冬場の電力が一番欲しい時には太陽光発電はあてに出来ず、結局、電力会社から購入するしかないという悲しい結果になってしまいます。

又、お得な電力会社は?という考えは、関西であれば、関電以外の会社を選択しても関電のインフラを使用し電力は関電から供給を受けるために、関電以外の電力会社が格段に安くなるなんかは無理な事であると思います。

特に、これから値上りが続くと予想される状況で、お金儲けが目的で参入している会社が、利益度外視で安売りの事業を継続していくは困難になりますね。

では、そういう状況の中で、何をすべきかという事ですが、やはり最初にするべきことは、エネルギーを使わくなする事です。それは、冬の寒さや夏の暑さを我慢して凌ぐという訳ではなく、我慢しなくても良い環境の建物を造るという事です。

これから新築する建物であれば、単純に断熱・気密を強化してパッシブ設計にしていけば良いですし、既存の建物であっても断熱・気密の改修という方法があります。

断熱・気密の分かりやすい解説として、以前から言われる例え話で、“穴の開いたバケツ”の話があります。

穴の開いたバケツに水を貯めていても、直ぐになくなってしまうので蛇口を開けたままにしておかなければなりませんが、穴を塞ぐ事によって蛇口は閉じることで出来る。という内容で、当たり前のことなのですが、その当たり前が出来ていない日本の建物にとっては非常に耳が痛いお話しです。

でも、その穴を塞ぐことが電力を含むエネルギー問題解決の一番の近道であると思いますので、高い電気代を少しでも抑えていく手段として、先ずはエネルギーを漏らすことから決別しないといけませんね。

太陽光発電はそれからにしましょう。

蘆塚

2023.01