関西に見本がなかなか無かった…
あしづかホームの社屋とコンセプトハウスが「本気のエコハウス」で建てられた経緯
これには、色々な要因があるのですが、主なものをあげていきますと、
1.建替え前に使用していた建物の断熱性能が悪く、冬の寒さに耐えられなかった(当然、使用する暖冷房エネルギーも大きかった)
2.高性能な建物を建てたいと思っても関西で実際に見学できる見本が見つからなかった為に、どうせ建てるならヨーロッパや北海道に通用する性能で、エンドユーザー様、同業者さん含め幅広く見学して頂ける建物をつくりたかった
3.滋賀を含め関西全体のエコハウスに対する意識を変えたかった
上記の3点が、それにあたります。
以前にも同じような事は書かせて頂いているのですが、1つずつ説明させて頂きます。
先ず、1.についてですが、熱橋(ヒートブリッジ)の時にも触れておりますが、建替え前に使用していた建物が鉄骨造で殆ど断熱材が入ってなくて冬は本当に寒かったです。寒い日ですと室内でも吐く息が白く、たしか室温5℃とかでした。
暖房している部屋と、していない部屋では温度差が激しく、北側にあるトイレに行くのが凄く嫌で最終的にはトイレに専用の暖房を設置して付けっぱなしにするという、今では考えられないエネルギーの使い方をしていました。
次に2.です。いざ自分自身が“本気の建物を建ててやろう!”と思ったときに、参考になる建物や業者さんを探していました。
当時(6年ほど前)は壁断熱200mm以上、屋根断熱300mm以上やっているような建物は今よりも全然少なくて探すのに苦戦しました。
当初は、私自身の視野も狭かったせいか関西ばかりで探しておりましたが一向に見つかりませんでした。
最終的には色々な人の協力を得て関東の業者さんに見学させて頂く事が出来て、本当に親切に色々と教えて頂く事ができました。この時の御恩は一生忘れることが無いと思います。
この時にお世話になった業者さんの姿勢を見て、私も同業者の方であってもノウハウを広めていかなければいけないと思うようになりました。
通常、工務店や住宅メーカーの場合は、同業者にはノウハウはもちろんの事、見学すらさせてくれないところが大半かと思います。
しかし、それだと例えばエコハウスなんかの新しい技術が、そのエリアに広まらなくなり、衰退の一途を辿る事につながる気がします。
これからの時代は温暖化や少子化など、さまざまな事態が待ち受けておりますので、今までとは違い皆の協力や情報共有が大事になっていくと考えています。
最後に3.ですが、先ほどの2.と繋がるところもあるのですが、関西に全然見学するところが無かった結果や、又、その時に私が色々と教えてもらおうと係わった断熱メーカーや建材業者さんの関西担当の方達大半が、私が計画する話をすると、第一声「そんなん関西では不要ですよ!」とか「そんな、たいそうなんお金かかるだけで断熱不毛の地関西では需要無いです」といった反応ばかりでした。
本来、メーカーや販売業者が率先して“省エネ”や“住み心地の良さ”に係わる商材を勧めて広めるべきかとは思いますが、どうも、その事は二の次で、とにかく目先の売上をあげれるものを売りたいようにしか見えませんでした。
人には、それぞれの立場があり売上をあげなければいけないのも分からなくないですが、永遠に変わりそうも無いなという状況をみて、何とか滋賀から関西全体に少しでも意識が変わるような“ちょっとパンチの効いたエコハウス”を建てて、それをいずれスタンダードにしていきたいという思いが強くなりました。
今回はここまでです。次回も引き続き社屋とコンセプトハウスの建物について書かせて頂きますので宜しくお願いします。
蘆塚
2020.03