避難所に断熱性能があれば

能登半島の地震から2週間程経過しますが、報道を見る限り被災地では、まだまだ過酷な状況が続いておりまして、ようやく仮設住宅が着手できるようになったということです。

避難所の環境は決して良いとは言えないと思いますので、少しでも良い環境に早く移れる事を願います。

現在、避難所となっているのは、学校の体育館や役所の建物で、TVを見る限り断熱が十分に施された建物では無い様子です。

北陸地方のこの時期ですので、建物内にいても非常に冷えるでしょうし、特に床は冷たいことかと思われます。

過去に起こった災害時も、大抵は同様の建物が避難所になっておりました。確かに雨風はしのげるのかも知れませんが、寒さや暑さをしのげるのか?となると、それは難しいように思います。

恐らく、避難所となる建物は、あらかじめ地域で指定されているはずですから、出来る事なら前もって平時に断熱改修をしておきたいものです。

災害時は、エネルギー系のインフラも使用できない事が多いので、暖房器具や冷房器具といったものが使えるとはかぎりません。せめて、建物に断熱性能が有れば、環境は随分と違うのですが、なかなかその辺りを理解して積極的に取り組むということが出来ていないのが実情であります。

もちろん、費用の掛かることではありますが、人の命にも係わる事でもあります。断熱改修するメリットは、災害時だけではなく、平時の利用の際にも、寒さや暑さで不快な思いをしなくなりますし、暖冷房の光熱費も少なくなります。

あと、これから建築される仮設住宅にも同様の事が言えまして、数年間は人が生活する場所になる訳ですから断熱性能は最低限として、現在の新築住宅並みにはしなければいけないように思います。

東日本大震災の際には、冬場の寒さや結露が酷いという事で、後から是正工事を行っていたと記憶していますので、そのような事が無いように進めば良いのですが...

とにかく、こういう時にこそ断熱性能が必要なのですが、行政サイドが無知なのかどうなのかよく分かりませんが、やはり、もっと断熱性能の重要性を普段から知って頂きたいと、つくづく思ってしまいます。

蘆塚

2024.01