能登川エコハウスPROJECT
気付けば11月も末日となりまして「エコハウスを少し語る」のタイトルでさせて頂いておりますここの投稿もお陰様で丸3年が経過いたします。
普段はエコハウス(高気密高断熱住宅)の性能面などを中心に情報を書かせて頂いておりますが、今回は珍しくといいますか、初めて土地の分譲についてご紹介させて頂きます。
そのご紹介させて頂きます土地ですが、実は前回まで話題にさせて頂いておりました「能登川パッシブハウス」の隣の敷地になります。
今回ご紹介させて頂く土地と、能登川パッシブハウスの土地はもともと1筆で184坪ほどの面積がありました。
面積だけ見ると3分割でも、4分割でもできそうな広さではありますが、実は間口がそれほど広く無くて俗にいう“羊羹切り”が出来ない敷地で3分割、4分割するとなると必ず“旗竿地”(専用通路のある敷地)が含まれます。
そうすると、前面道路が南西側にある為に旗竿地の敷地は、ものすごく日当たり条件が悪くなり、同じ事業でありながら区画の違いで快適性の不公平がでてしまいます。
今までの不動産分譲というものには、そういう不公平がつきもので、あくまでも分譲する不動産業者がどれだけ儲けられるかという事が最大の目的とされてきたように感じるのですが、そこにはエンドユーザーの皆様に対する住み心地への思いやりや、パッシブハウスの考えみたいな要素は全くございません。
そういう部分に違和感を想い抱いていた中、今回この敷地を扱わせて頂くご縁がありました。
そして滋賀エコハウスPROJECTのメンバーと色々相談した結果、思い切って2区画にして最善の区割りを行う計画といたしました。
道路面が真南方向ではないため、道路に面する間口を2等分すると、2区画共に、どうしても真南からの日射取得が十分に得られず敷地面積に見合ったポテンシャルがありませんので、住宅が建つ部分については真南(斜め)に境界線を入れさせて頂きました。そのことで、どちらの区画も真南から多くの日射取得ができることになります。
又、道路付近の境界線は道路と垂直に入れる事で、ある程度の間口も確保出来て、駐車スペースが並列2台可能になりますので、日々の運転へのストレスも無く生活できます。
何よりも2区画共に南からの日射条件が良く敷地のポテンシャルが上がり公平な快適性が得られることが最大の魅力かと思います。
これから先の時代は、少子化や気候変動の問題などネガティブな要素が多くなり不動産の分譲のあり方にも様々な変化はでてくると思います。しかし、令和3年の今現在、殆どの分譲宅地で将来を見据えた計画というものを感じるシーンは少ないです。
そういう状況の中、今回のこのプロジェクトが少しでも良い例として将来に向けて残していかなければという思いです。
住宅地づくりは、誰の為なのか、将来的な価値は残るのかなど、色々と見直す時期に社会全体が来ているのではないでしょうか?
蘆塚
2021.11