窓選びも大切です 続き

近畿地方も梅雨まっただ中のようで、しばらくは鬱陶しい天気が続きそうですね。

さて、前回の続きで窓の事を書いていきます。

前回記載した窓に求めること

1.外の景色が良い感じに見える

2.佇まいが良い

3.外気温の影響が少ない(暑い寒いが無く、隙間風が入らない)

4.外の騒音が入りにくい

5.操作性が良い

6.掃除がしやすい

7.長持ちする(丈夫、耐久性)

今回は5、6、7についての内容です。

先ず、5の“操作性”についてですが、日本では長らく引違いサッシが主流であった為、その操作性を気に入っている方も多くおられると思います。

しかし、皆様ご存知のように引違い窓は構造的に気密性能や防音性能、又、水密性を確保しにくく、性能という部分を含めて考えた時に、私の場合は選択肢からは外れてしまいます。

室内で片引戸や引違いの障子などは、非常に使いやすい建具であると思いますが、外部に面する開口では、ちょっと難しいのかなと...将来、飛躍的に素晴らしい技術が出来れば別ですが!

では、引違い以外で操作性が良いものとは?海外製では、ドイツのドレーキップや北欧の回転窓が有名です。

ドレーキップは、2つの開き方が出来る窓で、内倒し(斜めに傾く)と内開き(ドアのように開く)が可能で、内倒し時は空気の入替が1つの窓で出来る仕組みです。(参考:エーデルフェンスター)

一方の回転窓は、文字通り開閉の仕方が回転で、一見は日本の辷出しタイプに似ていますが、可動域が全然異なり170度回ります。この窓も一つの窓で空気の入替ができる設計です。(参考:エリートフェンスター)

あと、この2つの窓に共通して言えることは、空気の入替で窓が開いている状態であっても、外から人が入ることが困難であり、防犯面も良いです。

それと、操作には直接関係はありませんが、国産大手メーカー品とは取付方法が全然異なります。海外製は基本的に内付け(取付位置が壁の中)である為、壁断熱層に囲まれて熱橋が出来にくいのと、当然、耳もないので窓フレームを躯体にしっかりと取付できるように思います。

次に6の“掃除のし易さ”ですが、これは先程、ご紹介しましたドレーキップと回転窓が非常に行いやすいです。

共に室内側から外側のガラスとフレームも拭けますし、木製の場合は塗装メンテナンスも同様に行えます。

特に2階以上の場合は、足場を設置する必要もなくなりますので、そういう意味では非常にありがたい窓です。

それでは、最後に7の“長持ちする(丈夫、耐久性)”についてですが、先ず丈夫さという点では木製が一番かと思います。樹脂製やアルミ樹脂複合製などは、基本、中空の造りで木製から比べるとフレーム強度は無いように感じます。

ただし、耐久性を考えたときに、木製の場合、塗装メンテナンスは必須になります。もしも、塗装が面倒であるというときは、アルミクラッド(外部面をアルミで覆ったもの)といった選択肢もございまして、外部側の木部塗装は不要になります。そう考えるとアルミクラッドタイプが一番良いという事になるのかもしれませんね。

あと、樹脂製フレームの場合は海外製と国産大手メーカー品とで、前回指摘しました通り造りが結構異なり海外製のものは全体的に剛性が高く丈夫な印象です。樹脂製の場合、フレームの強度が有るか無いかで耐久性も決まってくるように思いますが、実際のところ、私自身は未だ確認出来ておりませんでして、あと、10年ぐらい経てば、色々と劣化具合を知る機会も出来てくるのかも知れません。

前回、今回と続けて窓について、色々と書いてきましたが、現段階において国産大手メーカー品は、まだまだ修正していく箇所があるのかなというところです。しかし、10年前から比べると、バリエーションも増えて確実にレベルは上がったと思います。どうか、これからの未来に向けては、国産大手メーカー品が、もっともっとレベルアップをして、ヨーロッパなどの海外に輸出するぐらいになれば良いのですが、どうなりますかね?

最後に、前回と今回に書かせて頂いた内容をみていると海外製ばかりが良いように思われるかもしれません。しかし、実は国産でも海外の技術を取入れて、素晴らしい木製高性能窓を製造されているメーカーさんもございますので、ぜひ、そういったメーカーさんの製品にも興味を持って頂き、その良さを知って頂きたく思います。

蘆塚

2023.06

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