窓の性能

10月に入って、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。

この時期は、窓を開けていると気持ち良いですが、近年は夏の期間が長くて、秋・春といった今のような過ごしやすい期間が短くなった気がします。

さて、その開けていると気持ち良い窓ですが、“日本の窓は、ドイツより30年後れている”という言葉はご存じですか?

実は、この言葉は10年以上前から言われておりまして、建築業界では、多分、皆が認識している事ではないでしょうか。

ただ、この言葉も正確に言いますと、ドイツだけでは無くてヨーロッパ各国から後れをとっていると言った方が正しいのかもしれません。

そもそも、ドイツは言わずと知れた“高性能住宅先進国”でありますが、その他の各国も当たり前に高性能住宅を建てております。

例えば、スウェーデンやデンマーク、フィンランドといった北欧はもちろんですし、オーストリア、スイス、イタリア、フランス...などなど、要はすべての国で一定の基準が定められており、窓についても最低基準がつくられています。

また、アジアでは、どうかと言いますと、中国や韓国には、既に窓の最低基準がありまして、日本よりも高性能化が進んでいます。

では、一体、何故、日本は後れているのか???何故、窓の最低基準が無いのか???疑問だけは多くあります。

日本でも、来年からようやく建物の最低基準はできます。しかし、その基準(断熱等級4)はだいぶ緩いもので、窓の最低基準を設けるまでには至りません。

日本に居ると、日本の現状が普通に見えてしまいますが、海外で生活する人々からすると、今の日本の住宅事情は異常に見えているのかもしれません。

とはいえ、その日本でも、10年前から比べると、国内販売される窓が少しずつ性能は良くなってきました。しかし、何か物足りない感じは否めません。改善の余地は大いにあるので、伸びしろがいっぱいあると前向きに考えていきたいとは思います。

次回も窓の事をテーマにしますので引き続き宜しくお願いします。

蘆塚

2024.10

次の記事

良い窓とは?