気温上昇で建物に求めること

今回も気温上昇の話題になります。

昔と異なる暑さが普通になりつつある時代ですが、人々が働いたり、暮らしたりする環境は昔とあまり変わっていない事が多いように思います。

例えば、最近、ニュースにもなった物流会社の職場環境も、その一つです。

物流会社に限らず、倉庫や工場といった建物は、昔から快適性というものは無縁であります。

そういった建物の造りは、鉄骨造にトタンやスレート板を貼った屋根、外壁のみであり、断熱性能は、ほぼゼロです。

最近では、エアコンなどの空調設備が整っているとは思いますが、その建物ではエアコンの効きは悪く、電気代ばかりかかって快適な環境には程遠い状態であることは明らかです。

ニュースになっていた内容は、物流倉庫で作業するスタッフの暑さ対策として、空調服を支給するしないといった内容でしたが、そもそもの論点がずれていると思いました。

空調服を着ることで、もちろん暑さは和らぎますが、それは根本的な原因を解決している訳ではございません。

そもそもの原因は、暑くなりやすい建物にある訳で、そこを改善しない限りは、永遠にこの問題は続くでしょう。

先ずは、しっかりと断熱性能を持った建物にすることでエアコンの効きも良くなりますし、夏の暑さ対策だけでは無く、冬場の寒さも凌げます。さらには、電気代も軽減できるので良い事尽くめであります。

今回、たまたまニュースになっていたのが物流会社ですが、恐らく、この問題は日本の多くの職場環境が抱える課題であるのでは無いでしょうか。学校や病院、また、都会にあるようなオフィスビルであっても、昭和時代の断熱性能のまま使用されている建物は数多くございますので、これからは、住まいだけでは無く、職場の温熱環境も当たり前に良くなる時代に変わって欲しいと願います。

蘆塚

2024.08