暖房の使い始めは?

今週から急に冷え込みましたね。秋らしい季節を飛び越えたような感じもしますが、今年の冬はどういう気温になっていくのでしょうか?

さて、外気温が下がってくると、当然、室内の温度も下がってきます。ただし、その下がり方は、建物によって異なります。

エリアによって違いが出るのは当たり前かと思いますが、同エリアであっても断熱・気密性能の違いや、日射取得量の違いによって結構な差は生じます。

隣同士のお家でも、断熱・気密といった外皮性能が優れた建物と、そうでない昔の建物との違いでも差は生じますし、同じ外皮性能を持つ建物であったとしても、方角の違いや窓のとり方の違いでも温熱環境は異なります。

築年数(時代)の違いで差がでるのは、ある程度、仕方ない事なのかも知れませんが、同じような立地に同時期に建築して、結構な差が出る事につきましては、非常に勿体ないように思います。

建築する時に温熱に対して少し知識や興味があれば、もしかすると温熱について意識を持ったビルダーと出会っていたかもしれませんし、その家の住み方や住み心地が変わっていたかもしれません。

そして、その室温の下がる時期になると、暖房機器を使用開始するタイミングにもなりますが、そのタイミングは、建物の内容によって左右されるという事に繋がっていきます。

今年は例年よりも平均気温が高くて、全体的に暖房機器の使用開始時期は遅くなっている家庭は多いと思います。

それでも、11月の初めごろには既に暖房運転を開始している家庭はあると思いますし、一方で、11月の間は暖房を使用しなくても寒くならず快適に生活出来ている家庭もあります。

更には、パッシブハウスクラスの建物になると、例年、12月に入っても暖房運転を行っていないという話はよく聞きます。

まさに、この違いこそが、建物の性能や設計の差であり、エネルギー使用量(光熱費)や快適性に直結していきます。

環境負荷軽減や快適性というものを真面目に考えていくと、その直結している答えは比較的早く見つかると思いますが、そこの視点が定まっていなければ、なかなか見つけにくいのかもしれませんね。

ただし、分かり易い答えとしては、“暖房使用開始時期” = “暖房需要のポテンシャル” という事であります。

お家を建てる際に、様々な要素はありますが、その建物の“年間暖房需要”を知るという事が、そのお家の冬場における快適性とエネルギー使用量を確認出来る指標になりまして、暖房の使用開始時期もある程度判断できると思います。

どうか皆様“年間暖房需要”という言葉を覚えておいてください。

蘆塚

2024.11