日本の家の価値?
前回に日本のお家の価値について少し触れさせて頂きまして、今回はその理由を考えてみました。
日本の住宅が築25年で査定額0円になってしまうのは何故か?
様々な理由があるのでしょうが、私なりに思う事は以下のようなところです。
理由1:不動産屋さんの建てる家が多い
理由2:性能が良くない
理由3:目利きが少ない
理由4:文化と環境
大きく4つに分けさせて頂きましたが、先ず理由1の“不動産屋さんの建てる家が多い”ですが、残念ながらここの要素が結構大きいと考えます。
住宅の購入を検討する際に、ハウスメーカーから始まり不動産屋さん(分譲会社)、設計事務所、工務店と選択肢は様々です。しかし、土地から購入して建物を建てるとなると、障害となるのが土地購入の際に絡んでくる“建築条件付き”です。
土地を探していると、その多くが“建築条件付き”と記載されております。この意味は皆さんご存じの通り、その土地で建築するには、その土地を販売している業者で建築して下さいという事で、土地は気に入っているのに、そこに建てる家に関しては会社を自由に選べないという宅建業法独特のルールがあります。
そして、その多くの土地が不動産屋さん所有であり、欲しいと思う土地が見つかったとしても、その不動産業者さんで建築しなければならないので弊害がでてくる場合があります。それは、そもそもその不動産業者さんが建物についてのスキルを持っているのかというところです。
もちろん、全てがそうであるとは限らないですが、印象としては出来るだけ手間とコストをかけずに売りやすい価格設定を行う事が目的になっているように見受けられ、性能や耐久性という点においては、あまり先々の事を考えていない内容になってしまいがちかと思います。
その結果、築年数が経過するとともに建物の魅力がなくなっていき市場価値も下がっていくという流れになっているのでしょう。
これは、質よりも量を望んでいた時代にはマッチしたのかもしれませんが、これから未来の事を考えるとルール作りにも変化が必要と思います。
そして、理由2の“性能が良くない”ですが、先程の理由とも重なる部分もでてきますが、不動産屋さんだけに限らず多くのビルダーが今まで性能面について興味を示しませんでした。それは、消費者側からのニーズも少なかったという事にもなるかもしれません。
ただし、耐震性能や断熱性能というものは10年スパンでみると徐々に上がっておりまして、特に耐震性能に関しては25年前と現在では結構変化がございます。
その為に、中古として購入を検討する場合に、どうしても25年前の建物に対しての安心感が得られない現実があると思います。
断熱性能については現時点で耐震性能ほど差はついていないので、中古購入時にそこまでの期待が無いかもしれませんが、将来的には断熱性能の差で購入するという事もでてくるはずです。
今回は以上になりますが、次回に“理由3”と“理由4”について書かせて頂きますので宜しくお願いします。
蘆塚
2022.01