施工現場を見たことありますか?その4

連日、たまらなく暑く、もう外には出たくない気分ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回も施工現場について書かせて頂きますが、もう、かれこれ4回連続になりますので、この内容は、これで一旦は終わりにします。

 

今回は工程上、様々な理由で、なかなか、ご覧いただけない部分を紹介させて頂きます。

先ずは、付加断熱の施工です。この作業は日数こそ、そこそこかかるのですが、外部である為に、雨養生(シート)を常に気にした工程になります。作業後は毎日、雨養生のシートに隠れて見えなくなるので、作業中でないと見れません。

又、作業が完了すると直ちに次の工程である、透湿防水シートの施工にかかるので、本当に一般のお客様が目にする機会がありません。

画像1枚目は、90mmの木桟を横方向に施し、付加断熱の高性能グラスウールを入れている場面です。充填断熱が縦方向に施されているのとは逆に、基本的は横方向で施工します。

これには理由がございまして、柱や間柱の鉄橋を減らすという目的があります。柱や間柱同様に縦方向に付加断熱の木桟を入れると、その部分は、内から外まで、木材のみになるので、断熱材よりは、断熱が劣る箇所になってしまいます。そうならないように、横方向にする事で、熱橋となる箇所は縦横の接点のみとなり、かなりの熱橋部分が減ることになります。

因みに、付加断熱は画像2枚目のように2層行うケースもございまして、これまたレアです。この場合、2層目は充填断熱同様に縦方向に施工します。

付加断熱の施工風景を見ると、壁の厚みも迫力ありますし、非常に安心感があります。

次は、画像3枚目の“気密シートの先貼り”です。聞きなれない言葉かも知れませんが、これは、結構重要です。

気密シートは、柱の室内側に施工致しますが、基本的には、柱間の断熱材が入ってから行います。しかし、画像のように筋交いが設置される箇所は、筋交いが設置された後には、気密シートを施工する事が出来ないです。

その為、先に、小さくカットされた気密シートを施工しておいて、断熱材充填後に、周辺の気密シートと連結させる事で、画像4枚目のように、しっかりと気密ラインが保たれるという事になります。

“気密シートの先貼り”は工事のタイミングでいいますと、上棟直後の筋交い設置時ですので、こちらも、僅かな期間しか見ることが出来ませんが、全体の気密シートが貼られた後に見るとそこだけテープで囲われる為、施工がなされた確認は可能です。

地味な工程では、ありますが、こういう細かな作業の積み重ねで、建物の性能が少しずつ良くなりますので、侮ってはいけない部分であると思います。

 

以上、施工現場で、ご覧いただくタイミングは難しかも知れませんが、知って頂きたい内容でした。

 

蘆塚

2023.07