断熱等級は誰のために?
前回の断熱等級について書かせて頂く際に、間違った内容を書いてはいけませんのでネットで色々と調べていたら、国土交通省のホームページに断熱等級を創設するためのプロセスが議事録として公開されておりました。
一応、最近のものは目を通したのですが、内容を見ていると結構ひどいなと思う事があり日本が数十年の間、他国から後れをとって発展しないのが納得できるような感じがしました。
その一つを紹介させて頂きますと以下の内容です。
「等級7は、現在普及している工法・技術・材料では用意に対応できず、コストアップを伴い消費者理解を得る観点からも対応が難しい。壁厚のため居住面積が減少すること、防火性能の確保が困難であること、鉄骨造では基準を満足できないこと、開口部が確保でき ないと居住性が確保できないことといった課題がある。」
といったものですが、どうみても鉄骨系の大手ハウスメーカーの都合で、そこに対して忖度しているだけに思えます。
あしづかホームのような小さな工務店が数年前から既に出来ていることを『工法・技術・材料』が現在では用意できないとはどういうことなのか?出来ない理由ばかり並べて言い訳するのは勝手にされたら良いのですが、『消費者理解を得る観点からも対応が難しい』とは何なのでしょうか???
あしづかホームに来られるお客様は性能の高いものを求めて来られます。別に、こちらから高性能を押し付けている訳もなく、ご自身でお調べになられて納得いくものを造りたいという想いを持たれています。
そういう声を無視して自分たち業者の都合(生産ライン、現場体制、コストなど)ばかりで基準を決めようとしていたら、一向に技術も進歩しないですし、業界自体のレベルも上がらないですよね。
他国では、もっともっと高いレベルを普通に行っているのですから差は開くばかりで、もう日本は相手にすらされなくなります。当然、技術の無い国はおいていかれてジリ貧になっていくことでしょう。
何で、こんな簡単な事が進められないのか私にはさっぱり理解できません。
もっと、健全な考えのできる政治や業界になって欲しいものです。
※等級7案は地域区分5.6の場合はUA値0.26らしいです
蘆塚
2022.04