改めてコンセプトハウスのスペック・仕様など
前回は、あしづかホームのコンセプトハウスのエネルギー使用量について書かせて頂きましたが、今回は、築後ちょうど7年経過したコンセプトハウスのスペック・仕様などに触れてみたいと思います。
過去にも同様の内容は書かせて頂いておりますが、最近はあまりこの内容について書いていなかったせいか、初めてのお客様から仕様等を問われる事が結構多くございますので改めて説明していきます。
先ず、数値的なことからいきますと以下の感じです。
・UA値=0.27
・C値=0.5
・年間暖房需要29.59kwh/㎡
・年間冷房需要15.40kwh/㎡
コンセプトハウスの建築は、あしづかホームにとって高気密高断熱のエコハウスを建てるという事が全く初めての時で、私自身、当時は数値の意味もあまり良く分かっていない状況でした。
UA値0.27は現在でも、これぐらいあれば問題なく快適であるとお勧めできる性能ですが、C値の0.5は今ならダメですね。でも、この時は必死でトライした結果でして、どこをどう処理すれば良くなるのかがチンプンカンプンでした。
逆の見方をしますと、気密処理に関して無知であってもC値0.5は可能という事ですから、どうかこれから高気密高断熱にトライされる皆様はもっと高い値を目指して頂きたいです。
因みに、パッシブハウス認定であればC値0.5は完全にアウトです。(0.2以下が必要になります)
年間暖房需要29.59 kwh/㎡は南側からの日射取得が難しい立地条件であるので致し方無い部分もございますが、今ならばパッシブ設計に対しての知識が当時とは比べ物にならない程増えておりますので、もう少し改善する事が可能です。
年間冷房需要15.40kwh/㎡は立地条件上それほど悪くはならないのでこれぐらいのものですが、いずれにしましても当時はこの値が良いのか悪いのかが正直分かりませんでした。
次に断熱構成、部材、機器などの仕様についてです。
・屋根断熱 高性能グラスウール16kg 330mm マグイゾベール
・壁断熱 高性能グラスウール16kg 210mm マグイゾベール
・基礎断熱 立上りEPS100mmEPS、底板EPS50mm パフォームガード
・気密シート 調湿気密シート ISOCELL AIRSTOP DIVA FORTE
・玄関ドア スウェーデンドア(木製)
・窓 スウェーデンウィンドウ(木製フレーム、トリプルガラス)
・換気システム 第1種全熱交換型 フレクトウッズRDKR
・エアコン アメニティエアコン ダイキン
以上の内容ですが、現在、あしづかホームがスタンダードにしている仕様と殆ど変わりございません。
当時は、サポートして頂いたメーカーさんなどの意見を参考に長期的に性能を維持できることを重視し決定しました。
初めて使用する材料だらけの中、施工方法も手探りで非常に大変だったのですが、今となっては、勉強になる事ばかりで、後々、知識が増えていき理解が深まるほど、サポートして下さった方々のアドバイスが適切だった事がわかり、非常に感謝しております。
結果的に初めて建てた高気密高断熱住宅(エコハウス)の仕様が本格的なものであり、高気密高断熱の知識や技術を習得するための近道であったのだと思えます。
これが、もっと“簡単”や“楽”というワードに踊らされて中途半端な高気密高断熱の方向に進んでいたら未だに迷走していたのかもしれません。
何事も「急がば回れ瀬田の長橋」ということですね。
それでは、次回も宜しくお願い致します。
蘆塚
2022.03