換気システムと空調

数日前は春を通り越しそうな勢いの暖かさでしたが、又、季節が逆戻りしてますね。

さて、今回は最近の新規のお客様から質問が多い「換気システムと空調」について書かせて頂きます。

ほんの数年前までは新規のお客様から、この件に関して質問がくることは非常に少なかったです。特に換気システムにつきましては、どちらかと言えば興味が無くてお金をかけたくないものNO.1みたいな扱いをされていました。

しかし、最近ではかなりの確率で建物スペックの次にくる質問が換気システムや空調の方式についてです。

これは、それだけエコハウスであったり全館空調といったものが認知されてきているという事で非常に喜ばしい事であると思います。

しかし、更に詳しくお話をしていきますと大半の方が間違った情報を信じていたり、都合の良い解釈をして勘違いをしていたりと正しい知識を持たれている方は、まだまだ少ないのかなと感じます。

それでは、どのような間違いや勘違いをされているのかをまとめてみました。

1.高額な全館空調システムがないと全館空調は無理?

最近ではハウスメーカーやフランチャイズ系なども含めて多くの住宅ビルダーで全館空調を取り入れてくるようになりました。しかし、その殆どが機械システムそのものに頼ったものであり、そのシステムだけで数百万円するような価格帯です。はたして、この機械システムを使用すると本当に快適なのでしょうか?そして、時代が求めるエコに繋がるのでしょうか?非常に疑問を感じるところです。

容量の大きな空調器具を搭載する、複雑そうなシステムで内容以上に高額なものなど私が見る限り無駄なものにしか思えないのですが、意外にも心惹かれる方々がおられるようです。

こういうシステムを使用する事も確かに全館空調ではありますが、こういうものは30年以上の前のバブル期からあるもので現代のエコという観点にはマッチしません。

又、快適性云々というお話しになると気流感も大きく、又、騒音もある為に、「本当の快適」を知る者からすると決してお勧めできるものではありませんし、何より現在求められる全館空調とは内容がかけ離れております。

もっと、省エネルギーで合理的な方法の全館空調があることを知って頂きたいです。

2.換気システムだけは良いものを入れたい!

このケースですが、とにかく換気システムの良い情報だけをどこかで知り躯体性能(断熱、気密)の事は一切無視されており、優れた換気システムさえ建物に入れれば快適に過ごせると勘違いされています。

そもそも如何なる換気システムでも正常に機能させるには、建物の気密性能が確保されていなければなりません。又、快適性を実現するには断熱性能も備える必要がございますので、先ずは確かな躯体性能のある建物を建てることを優先して欲しいですね。

以上2点が最近あった内容ですが、他にも様々な間違いや勘違いのケースはございまして、何れにしましてもエンドユーザーの皆様には正しい情報をしっかり見極めて頂きたいです。

又、ビルダー側もまともな方式で行っている方々の発信がもっと必要であると考えます。

次回は、どういった内容の「換気システムと空調」が理想的であるかを書いていきたいと思いますので宜しくお願い致します。

蘆塚

2022.03