パッシブハウスジャパン近畿支部大会の事例報告を終えて その2
前回に続きパッシブハウスについて書かせて頂きます。
事例報告の資料作りをしていて気づいた点としましては、実際に見て感じることが人には必要なんだなと改めて思いました。
と言いますのも2019年に“京都宇治田原パッシブハウス”の建築が始まるのですが、私は2018年11月にドイツへパッシブハウスの勉強と見学に行く機会を得ることができました。
当初は「わざわざドイツまで行かなくてもインターネットで大体わかるんやけど...」ぐらいに思っておりドイツに行くことによって自分自身の意識が変わるようには思っていなかったです。
しかし、ドイツへ行き実際に生活せれているパッシブハウスや建築中の現場を見させて頂くと、どの建物も設計が非常に基本に忠実でしっかりと真南から日射取得し、断熱構成も何層も重ねた分厚い壁になっていました。
それはパッシブハウスなので当り前といえば当たり前なのですが、その周辺全ての建物が同じ考えで建てられているという事は、日本では見れることがありませんので、そこで全てにおいてセオリー通り行うことの大切さに気付かされました。
それもあって、“京都宇治田原パッシブハウス”ではとにかく基本通りを徹底して実行に移すことが出来たのだと思います。
今の日本の住宅を建築する環境では、敷地面積や宅地づくりの考え方でドイツとは異なる部分が多いので、今すぐに全てをパッシブハウスにするという考えは現実的では無いと思います。
しかし、それを言い訳にして何の努力も見せないのは間違っているので、仮にドイツのパッシブハウスが立ち並ぶ街よりも、敷地が狭くても、方角が悪くても、その土地で最大限に快適な環境を整えていくことは可能です。
その努力を行うことで、今までの日本の家とは快適性、環境への負荷は異次元に優れたものが造っていけます。
私の場合は2018年にドイツへ行ったことで、先ずは正しい情報を自身の目で見て肌で感じる大切さを改めて学ぶことでできて、又、そういう事に気づけたのは非常に良かったです。
「百聞は一見に如かず」といいますが、これからお家を建てられる皆様も是非肌で感じて頂いて、良い家づくりをしてください。
蘆塚
2020.09