パッシブハウスの気密測定
少し朝晩が涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。
ちょうど先日、現在、弊社で工事をさせて頂いている『能登川パッシブハウスⅡ』(パッシブハウス申請予定)の現場で気密測定を行いましたので、今回は、パッシブハウスでの気密測定について書かせて頂きます。
実は、気密測定には測定方法が2種類ございまして、日本で一般的に行われている方法は減圧法と呼ばれるもので、気密測定器を用いて室内の空気を外に排出し、その通気量で建物全体の隙間を確認しています。
分かりやすいイメージですと、キッチンのレンジフードを運転するとお家の中が負圧になると思います。その際、玄関ドアが重くなったり、窓等の隙間から空気が入ってきたりしますが、減圧法は、まさに、その状況をつくって確認している事になります。
それでは、もう一つは何かといいますと、加圧法というものです。
加圧法とは、文字通り減圧法の逆になりまして、外の空気を室内へと送り込んで隙間があれば室内から外へ空気が出て通気量を確認する方式です。
パッシブハウスの場合は、この加圧法と、先程の減圧法の両方で測定をする必要があります。
基本的には減圧法も加圧法も、やることは同じで、しっかりと気密処理が出来ていれば、測定結果の値もそれほど変化はございません。
ただ、少し気密の処理が甘かったり、若干、気密性能が劣る窓などを使用している場合は、減圧法よりも加圧法の方が、測定値は悪くなるようには聞きます。
そういう事を考えると、減圧法と加圧法の両方で測定した方が、より正確な値が判るのかもしれません。
パッシブハウスの認定は、ドイツのパッシブハウス研究所が定める基準に則って工事を進めていきますので、気密測定一つをとっても、日本の感覚からすると、ひと手間かかります。
しかし、普段から同じようなお家づくりを続けていると、それが標準的にもなってきますので、日本で普通だと思っている感覚は、世界基準から比べると少し簡単に映るかもしれませんね。
蘆塚
2024.09