エコハウスの真価(人の発熱は暖房)
先日、能登川パッシブハウスⅡ(認定申請予定)で、パッシブハウスジャパン近畿支部の完成勉強会をさせて頂きました。
当日は、パッシブハウスを体感するには、うってつけの最高気温が4℃程度の寒い日でありまして、日射取得もそれほどは期待出来ない少し曇りの天気でした。
普通の建物であれば、当たり前に暖房器具が必要な状況です。
しかし、勉強会には二十数名参加することが分っていましたので、オーバーヒートを懸念して、開始時刻の2時間前には無暖房としました。(その時の室温は約22℃)
開始時刻が近づいて人が集まってくると、室内はみるみるうちに温度が上昇するのが分り、窓を1ヶ所開けて丁度良い感じでした。
結局は、勉強会を終えるまで、その窓は開けたままで、パッシブハウスならではの光景であったと思います。
恐らく、あまり断熱が施されていない建物であると、人が集まった場合に、人の発熱量の事を気にしないと思います。
しかし、パッシブハウスや高性能なエコハウスの場合は、保温性が非常に高いため人が暖房となります。
大人一人当たりの発熱量は100W前後といわれているので、二十数名集まると2~3KWの暖房器具をつけているのと同じ事になり、オーバーヒートしてしまうという事です。
2~3KWはエアコンの能力に例えると、6帖~10帖用に値します。決して大きなものではなく、どちらかというと小さいサイズになりますので、性能が悪い建物の場合は、多分、全然暖まらないです。
ですので、やはり快適性や省エネ性の向上を目指すうえで、先ずやるべきは“断熱・気密”であります。
そう考えると、人が集まる建物である学校の教室なんかは、常に今回の勉強会ぐらいの人が集まりますので、建物性能がしっかりしていれば、本来は暖房費があまりかからないのにと思ったりします。
しかしながら、国などが行う省エネ関連の補助金などは、機器メーカーなどが儲かる仕組みとなっており、純粋に断熱・気密の強化に対しては積極的ではありません。
早くそういう既得権益みたいな事をやめて、そろそろ、本質を見極めた正しい順序で物事の判断を行って頂きたいところです。
蘆塚
2025.02