気密測定の目標基準
前回に引き続き気密測定のことを書かせて頂きます。
気密測定を行っているビルダーであれば、基本的にクリアしたい目標基準を定めていると思います。
それでは、気密性能を示すC値ですが、一体どれぐらいを目標とすべきなのでしょうか?
例えば、あしづかホームの場合ですと、一応表向きはC値=0.5以下としておりますが、実際に現場での目標値はC値=0.2以下です。
施工する際に、どのビルダーも基本的にはC値=0.00を目指して取り掛かると思います。しかし、それは実際のところ無理があり、結果として0.1とか0.2などになってしまいます。
その値は、経験やノウハウ・技術力によって差が表れてきまして、同じようにC値=0.00を目指して施工しても結果が1.0や1.5になるビルダーもあるでしょう。
その場合、漠然とC値=0.00を目指しているだけで、「どうすれば0.2を下回るのか?」という具体的な対策はなされていないと思います。
気密処理については、押えておかなければいけない箇所は確実にありまして、そこが分かっていなければ、気密測定を何回行っても、さほど結果は変わらないと考えています。
気密処理は地道な作業の連続で、日本の建築業界では、なかなか好かれませんが、要点さえつかめれば安定して良い値を出していけるので、早くその作業に慣れてノウハウ・技術をつかむようにしていく事が近道であります。
では、そのノウハウ・技術をどのようにすれば習得できるのか?
やはり、それには具体的な目標値を定めて、図面や現場で納まりを徹底的に研究するしかありません。そして、その理屈が判ると自然と良い結果が出るようになりますし、そうなってきたら一般的に厳しいと思われる目標値をクリアしていけると思います。
もちろん、ノウハウ・技術をつかむまでには段階がありますので、0.5から段階的に0.1ずつ厳しくしていけるようになるのが理想でありますね。
最終的には、パッシブハウスをつくるレベルを常にクリアできるようになれば安心できると思いますので、そうなると0.2を下回る事が求められます。
気密性能につきましては、性能を上げるのにコストはあまり関係ありません。同じ材料を使用しても、ノウハウと技術の違いで数値には差がでます。
したがって「C値=0.7が丁度良い」などといった考えはありませんので、その辺りはエンドユーザーの皆様も理解しておいてください。
蘆塚
2024.05