高気密高断熱住宅の計画 基礎断熱or床下断熱問題
早いもので、もう一年が終了しようとしておりますね。
さて、今回は“基礎断熱or床下断熱問題”について書かせて頂きます。
この内容も計画段階で決めておかなければ、後からは変更できるようなものではありません。また、選択する内容によって断熱材の選定から施工、気密処理の対策も変わりますし、更には床下空間の扱いが全く変わりますので、それなりの準備を行い施工に進めなければなりません。
それでは、あしづかホームは、どちらを採用しているか?それは、基礎断熱になります。実は、この件に関しましては4年前にも、一度、記事にしておりますので、こちらもご覧ください。
基礎断熱を見たことありますか? | 滋賀で本気のエコハウス 高気密高断熱住宅(パッシブハウス)の設計施工 あしづかホーム (ashizuka.com)
基本的な考えは、4年前と全然変わっておりません。ただ、この時は床断熱については、あまり触れておりませんので、少し補足させて頂きます。
基礎断熱と床断熱で一番立場が異なる部分が床下空間です。基礎断熱の場合は、室内空間と捉えますし、床断熱の場合は屋外空間となります。家の中にいる時には、そういう意識で過ごす事があまり無いかもしれませんが、実は人が一番接している部分は床です。床は常に足が接していますが、天井や壁には、あまり触れる事は無いと思います。
その床に係わる断熱が、あまり良く無いと冬場の場合は、寒さが顕著に表れます。今から40、50年前のお家には床に断熱材が入っていないお家が当たり前であったと思われます。その状況って、屋外に対してせいぜい十何ミリの床板1枚ですから、それは寒いはずで、素足で外を歩いているのと、あまり変わりません。
しかし、一般の方で、床の裏側(床下)を見る人は殆どいないと思いますから、自身のお家の状態がどうなのかを考えずに、ホットカーペットを敷いてみたり、床暖房を入れてみたりと、根本的な解決を行わずに、暖房器具へお金を使う事になっています。
その根本的な解決を行うには、断熱・気密をしっかりと行わなければならないのですが、それをどの程度しなければいけないのかをしっかりと考えずに、手っ取り早く出来る断熱方法として床断熱を選択しているビルダーが多いように思えます。確かに、土台や大引きの間、又は、根太の間に断熱材を施す事が、一番手間が掛からないでしょうし効率が良いようにみえます。しかし、その方法では1層の充填断熱にしかすぎません。
屋根や壁の場合でも断熱層の構造材等木部は熱橋部分である為、複層の断熱を施す方が良いと考えておりますが、直に足が触れる床において床暖熱を選択するのであれば、熱橋対策含めて、当然、複層の断熱が必要になります。
例えば、壁の断熱を高性能グラスウールで210mmするのであれば、本来、床下は同じ材料で断熱する場合は、壁以上の厚みが必要と考えるのが自然です。
そうなると、凄くハードルが高くなってしまう印象にはなりますが、実際には、それぐらいの施工はマストにはなるでしょう。
とにかく、床下の断熱につきまして、基礎断熱or床下断熱のいずれを選択してもそれなりの断熱材の量が必要なのと、間違った施工をしていては、あまり意味をなさないという事になりますので、その辺りをしっかりと計画的に検討しなければなりません。
最後に、ご参考までに、もう一つ過去の記事をご紹介させて頂きますので、こちらもご覧ください。
基礎外断熱、熱橋以外のメリットとリスク回避 | 滋賀で本気のエコハウス 高気密高断熱住宅(パッシブハウス)の設計施工 あしづかホーム (ashizuka.com)
以上、本年もありがとうございました。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
蘆塚
2023.12