高気密高断熱住宅は計画的に
今年も、あっという間に師走になってしまいました。
本当に1年が過ぎていくのが早いですね。
さて、今回は「高気密高断熱住宅は計画的に」というテーマです。
なぜ、このようなテーマかといいますと、年間に数回は受ける質問といいますか相談があります。
それは、“現在他社で新築工事を行っているが、気密の値を良くするにはどうしたらいいか?”という内容です。
結構、あるあるの内容かとは思います。意外と工事が始まってから気密や断熱の大切さを知る方も多いようでして、工事中であれば要点を聞いて対処すれば何とかなると思われている感じです。
もちろん、工事の進み具合によっては多少改善が出来る部分もありますが、殆どの場合は、基本的に手遅れです。
そもそも、一般の方が工事中に気密や断熱の事に意識がいくのは、工事中の現場を見に行って断熱材の施工がなされている状態を見た時なのかなと思います。そこで初めて、断熱材の施工状態が気になったり、気密は処理されているのか?疑問を持たれたりするのではないでしょうか?
それで、色々と調べるうちに心配になって施工しているビルダーに質問するが、思うような返事が返って来ないので、詳しそうなビルダーを探し、そこへ質問してみるというパターンであると思います。
私も、そういう相談を受けると出来るだけ何とかならないかとは考えるのですが、既に断熱材が入っている状態や、更には石膏ボードが貼られた状態などは、正直なところ手の施しようがありません。
早ければ早いほど、改善の可能性は残りますが、工事が始まってから以降では確実な気密処理は極めて難しいです。
何故なら、真面目に気密処理を行うならば、上棟前の土台設置やその前の基礎工事から、その部分を意識して施工をしているからです。
また、断熱施工に関しても同様で製図段階から、現場での納まりを考えております。
あとは、いくらその辺りの準備をしっかりと行っていても、実際に現場で施工される職人さんにその意図が伝わっていないと、思いもよらない納まりになっていることも考えられますので、設計やビルダー側だけでなく現場全体での意識付けは非常に大切となるのではないでしょうか。
高気密高断熱住宅を建てるのであれば、先ずは、設計の計画段階から気密や断熱の施工について、しっかりと確認していかないと、思い描くような性能のお家にはならないということです。
蘆塚
2023.12