3階建てのエコハウス 続きⅡ

4月ですね。一年間で一番希望に満ちた月であるように思いますが、そんなことないですか?

さて、前回に引き続き3階建てのエコハウスについて書いていきます。

外皮性能が重要という事をお伝えさせて頂いたのですが、そこの性能をしっかり確保できれば空調の計画が比較的スムーズに行えると普段から考えております。

しかし、3階建てにつきましては、上下方向への距離が2階建てよりも長く、普通に考えると温度ムラが出やすいとしなければなりません。

2階建てであっても、暖気は上へ上へと行きますし、又、立地条件や窓レイアウトによっては、2階の方が日射取得も良いケースが多く、どうしても上階の方の温度が高くなりがちです。

その辺りをしっかりと考慮しながら、冬の為の暖房計画、そして夏の為の冷房計画を行いました。

京都三条エコハウスでは、換気システムをフレクトウッズのRDKR-KS(第1種ダクト式)を採用しましたので、その場合のエアコンはアメニティタイプが、やはりお薦めになります。

なぜなら、折角、手間ひまかけて換気システム用のダクト配管を行いますので、それを(給気用配管)利用しないのは、非常に勿体ないからです。

しかし、ここで思案することになるのが、換気システムとエアコンの設置場所です。

あしづかホームでは、2階建ての場合、通常は、換気システムとエアコンの両方を2階に設置しています。

それが、3階建てになると、何処が効率良いのか?という問題がでてきます。

結局、今回は、換気システムについては2階が良いという結果になるわけですが、ダクト長や経路、そして抵抗を検討して、更には暖房、冷房をどのように送るか...と、なかなか簡単にはいきません。

そして、エアコンの台数につきましては、同じ床面積の2階建てであれば、恐らく1台で大丈夫とするところですが、今回は3階建てという事で2台設置することにしました。設置位置は、2階と3階にして、共にアメニティタイプで給気用ダクトを利用します。

では、何故、2台設置なのかといいますと、使い方の想定は、冬場の暖房は2階のみの1台の運転で、夏場の冷房は2台とも運転としております。

暖房時は、暖気が上昇するのと、2階、3階は日射取得が多いため基本的には1階の給気口から暖かい空気を出して、建物全体に行渡らす考えです。

又、冷房時ですが、ダクト経路、口数など考慮していくと、1台のエアコンではどうも苦しい感じがあり、2台設置したエアコンのうち、3階のものは3階だけを冷やして、2階のもので1階と2階を冷やすという方法にしました。

この考え方は、仮に同じような立地条件、延床面積の3階建てであっても、部屋数や人が集まりやすいLDKの位置などで異なってくるとは思います。

そして、実際に暖房時の様子は建物完成時に試すことが出来ましたので、どのような環境になったのか、以下ご覧ください。

(確認日の状況3月上旬 最高気温14.6° 最低気温3.8° 暖房設定温度22°)

1階室温/22.8° ※画像1枚目

2階室温/22.9° ※画像2枚目

3階室温/22.3° ※画像3枚目

この日は、特別に寒い日とかではありませんでしたので、真冬の際にどうなのかは確認してみたいところではありますが、各階の温度ムラがなく非常に理想的な環境であります。

あとは、夏場の冷房時に予定通り快適な環境になることを願うのですが、給気口の開き具合や、各階のエアコン運転設定を調整しながらベストを探っていきたいと思います。

蘆塚

2023.04

断熱

次の記事

断熱等級7