3階建てのエコハウス

今回は、先日に完成しました“3階建てのエコハウス”である京都三条エコハウスについて書いていきます。

あしづかホームがエコハウスを手掛けるようになって8年が経過しますが、これまでエコハウスとしては2階建てまでしか建築した経験がありませんでした。

そもそも、あしづかホームのある滋賀県は比較的敷地に余裕のある地域で、3階建て以上の一戸建住宅は数少ないと思われます。

しかし、大阪、京都といった街中では地価が高く建物が密集しており一戸建住宅の3階建ては珍しくありません。

以前より3階建てのエコハウスには興味を持っており、「もしも建築する機会があるならば...」と頭の中で勝手にシミュレーションしていることもありました。

又、過去には、たまたまですが他社さんが手がけた3階建てのエコハウスを見学した事もあり、2階建てとは異なり難しい点があるのだろうな...?という印象で、上下方向に空間が広がるため温度ムラに対して2階建てよりも気を付けていく必要があり、換気や空調の計画はもちろん必要ですが、外皮性能は絶対に妥協してはいけないのだと強く感じたのを覚えております。

そして、昨年に運良く京都の街中で3階建てのご依頼をお受けすることが出来て、新築計画をさせて頂くようになりました。

街中という事で、エコハウス建築にあたっては障害になることが、幾つかでてきます。

先ずは、準防火地域ということです。既にご存じの方も多いかもしれませんが、準防火地域の場合は、窓の選択肢が少なくなります。特にトリプルガラスの高性能品になると、なかなか種類がありません。価格も一般的な地域のものよりも当然高いですし、製品の種類と開閉のバリエーションも絞られます。

続いては、壁断熱の厚みです。先ほど、記載した通り外皮性能に妥協は許されません。従って、窓性能と断熱材の厚みは、何としても確保しなければなりません。

しかし、街中の敷地は、比較的間口が狭く、隣地との間に余裕は無いというケースがよくあります。そのため、室内空間の広さを優先すると、壁に付加断熱をするという事が限りなく無視される方向にあり、結果的に外皮性能は確保されなくなります。

殆どの場合、この2点(窓性能、断熱の厚み)を確保することが難しいという判断で、ちゃんとした性能のエコハウスが“難しい”もしくは“出来ない”という結果になっているのだと思われます。

そこで、京都三条エコハウスの計画にあたっては、外皮性能について妥協無く進められるように検討を重ねました。

次回は、具体的にどのような計画を行っていったのかを書いていきますので、引き続き宜しくお願い致します。

蘆塚

2023.03