高性能住宅とは?
前回、“高性能住宅”というワードがでてきましたので、その言葉について書いていきます。
建築業界だけのお話ではないのかもしれませんが、その時代時代で新しいワードが生まれてきますね。
“高性能住宅”もまさにそれであると思っていて、恐らく10年前は、そのような単語を使っていなかったのではないでしょうか?
そもそも、この言葉の意味は何なのか?と考えた時に連想するのは、「断熱性能」、「気密性能」、「耐震性能」に優れた住宅というふうに、私の場合はなるのですが、もしかしたら他の答えもあるのかもしれません。
このような新たなワードが生まれる時は、今までとは異なる変化がでているからだと思います。
その変化は少しずつ広まり、そして流行りになり、その後に一般化していくのかなと考えますが、その言葉自体に明確な定義が無いと結果的に当初とは意味合いが異なる中身になっているかもしれません。
何故なら「高気密高断熱」や「エコハウス」というワードは今や一般化していると思うのですが、一昔前であれば今よりはマニアックな印象でありました。どちらかといえば変わったことをしている少数派といった感じで...
しかし、現在ではローコスト住宅や建売住宅から大手ハウスメーカーまでが、当り前のように、セールスポイントとして、その言葉でアピールしています。
どちらの言葉も明確な定義が無い為に、結果的には凄く幅広い使われ方をなされているのが実情です。
例えば、気密性能ですと全棟気密測定を行い最低C値を定めている厳しい基準のビルダーがあれば、一方では、気密測定すら行わずC値が分からないでいる甘い基準のビルダーもあります。
ただ、どちらも今のルールでは、消費者に“高気密”であると説明しても特に問題が無いとされます。でも、実際のところは中身が全然違う事になりますよね。
そういう事がまかり通れば、結果的に消費者の方々が混乱してしまい決して良い事はありません。
「高性能住宅」も凄く良い響きで好感が持てる言葉です。その言葉通りに真面目に良い住宅を造っているビルダーは沢山存在します。しかし、先ほど同様に定義がございませんので、様々な考えで使用できます。
せっかく良い言葉であっても、その中身に一貫性が無いというのは寂しく思いますので、例えば明確な基準を持つ「パッシブハウス」のように、はっきりと中身の判るものであって欲しいですね。
世の中、やっぱりルールは必要と思う次第です。
蘆塚
2022.09