物の価値とは?

物の価値とは、いったい何なのでしょう?と思う事はありませんか。

といいますのも、私が二十歳前後(1990年代)の頃はヴィンテージデニムが流行っておりまして、当時、私自身はあまり興味が無かったので、それほど詳しくはないのですが、それでもヴィンテージと呼ばれていた1950年代以前のモノは高くて若者では簡単に買えない価格帯であったと思います。(確か軽く数十万円はしていた記憶です)

ただし、ヴィンテージというには未だ歳が浅い1960年代、1970年代のモノは比較的若者でも買える価格帯で普通に古着として着用していた人も多かったのではないでしょうか。

私も当時は、その古着と呼ばれる類のものを数着は所有してよく着ておりました。その理由は、新品よりもリーズナブルで、かつ、一から育てる必要がなく雰囲気も楽しめるからです。

ただ、それが現在も所有しているかといいますと、もうすでに手放しております。着る服の好みも年齢と共に変化していき、誰かにあげたのかどうしたのかは、もう記憶にはありません。

その1960年代、1970年代の古着が最近調べてみますと、時の流れとともに今やヴィンテージの域に入っており、当時から思うとかなりの値上がりをしているのです。

程度にもよりますが、昔は数千円だったものが5万円とか10万円とかになっており、かなり価値が上がっております。

ヴィンテージといえば聞こえは良いですが、言い方を変えれば50年前の中古の服です。

50年も前の服が、そんな感じで値が上がっていくのは不思議な気もしますが、それが需要と供給というもので実際にそれだけの価値があるという事です。

私もこうなる事が分かっていれば手放さなかったですけどね(笑)

そして話は少しかわりますが、私が仕事で携わっている住宅の価値ですが、1970年前後に建った築50年の古家は価値として0円なんですよね。一般的に不動産屋さんの査定で築25年経過している建物は基本0円になります。

数千万円かけて購入し、ローンを何十年も払い続けたものが、50年前のデニム以下の価値になるんです。

これってどういうことですか?でも、これが現在の日本でも実情であり、これからも変化が起こらない限り続くとされる現実です。

この問題には、日本ならではの様々な理由があると思いますので次回にその辺りを考えていこうと思います。

蘆塚

2022.01