断熱気密の弱点
今週は少し寒さがマシのように感じますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
マシといいましても、まだまだ気温は一桁の日が多く寒い時期には違いありません。
この時期は、お家の中にいても断熱気密の性能が足りていないケース、又、窓など開口部からの熱損失と様々な理由で温度が維持しにくかったり、上がらなかったりと悩ましい事もでてきます。
では、実際に断熱気密の性能が良いエコハウスの場合はどうなのでしょうか?昨年12月に宇治田原パッシブハウスにて、サーモカメラで撮影した画像を見てみます。
1枚目の画像は玄関ドア周辺になります。玄関ドアは、ガデリウス社が販売するスウェーデンドア(木製)でU値1.0という国内で調達できる製品としてはトップクラスのものです。気密に関しても殆ど漏気はみられず優れています。
ドア本体としては壁との温度変化はあまりなく性能の良さがうかがえます。しかし、開閉する4方の接点は色が紫になり少し温度が下がる感じです。特に下枠は沓摺となる為に、傷防止の意味でだと思いますが金属プレートがあります。その箇所が熱伝導の高いいわゆる“熱橋”となっているのか一番色が濃く20℃を少し下回っているようです。
次に2枚目ですが、これはLDKに設置された窓になります。こちらの製品は、あしづかホームがガデリウス社に別注しているスウェーデンウィンドウ(木製)のテラスドアとFIXの組合せタイプです。性能はテラスドアのU値0.95、FIXのU値が0.76と、こちらも国内で調達できるものとしてはかなりのモノで、当然、漏気もありません。
画像では、ガラス部は温度が高く流石はUG0.5のトリプルガラスです。
次に木フレームですが右がFIXで左がテラスドアになります。やっぱり数値が示す性能は正確なもので、ほんの少しの差がサーモグラフィでは表れています。
テラスドアの方が紫の割合が多くて、特に下枠に関しては玄関ドア同様の理由で一番温度変化がでております。
このように、凄く性能が良いといわれる製品を使用していても多少の熱橋は出てくるものです。これが、もっと性能が劣るものであればあるほど温度差が激しく表れて室内の温熱環境に悪影響をおよぼします。
そういう事から開口部に使用するドアや窓は出来る限り妥協無く良い製品を選定して頂くことをお勧めいたします。
次回は、その他の弱点を紹介させて頂きますので宜しくお願いします。
蘆塚
2021.01