「本気のエコハウス」が完成するまで疑問ばかり?
あしづかホームの社屋とコンセプトハウスを「本気のエコハウス」として完成に至った当時の事を振り返ります。
以前にもここで書かせて頂いてる内容もあると思いますが、今回はコンセプトハウスの事から書いていきます。
先ずはコンセプトハウスのスペックをおさらいしてみます。
<コンセプトハウスのスペック>
屋根330mm、壁210mm共に高性能グラスウール16kg
基礎断熱EPS立上り100mm、ベース50mm
窓はスウェーデンウィンドウ(木製フレーム+トリプルガラス)
換気設備は第1種換気(全熱交換型)フレクトウッズRDKR-KS
暖冷房器具はダイキン製5.0KW
年間暖房負荷29.59kwh/㎡ 年間冷房負荷15.40kwh/㎡
6年前の私は、今から思うとホントに無知で暖冷房負荷といった言葉すら知りませんでした。
なのでパッシブハウスの認定基準も知ることなどなく、とにかく“高性能な建物を建てる”といった思いだけが強かったです。
計画を進めていく中でパッシブハウスの存在を知りましたが、未だそれほど理解も興味もありませんでした。でも、どうせならその内容で建てた方が良いかなぐらいに考えておりました。
その当時は計画しているスペックは“これ以上のものは無いだろう”ぐらい思っておりパッシブハウスの基準は問題なくクリアしていくと勝手に予想しておりました。
しかし、実際に年間暖冷房負荷を計算してもらうと全然適いません。もう少し調べると、この計画ではどうあがいても無理ということを知りました。
それは、パッシブハウス基準をクリアするには建物に対する太陽の日射量が非常に重要でコンセプトハウスの場合は南側に隣家(障害物)があり、尚且つ南面間口が狭いため暖房負荷が全然基準に届きません。逆に冷房負荷は余裕です。それが解り、パッシブハウスの目標は将来へ置いておく事にしました。
でも、何かの基準は目標として欲しかったので、この計画に深くかかわって頂き多くのサポートを提供してくれたガデリウス・インダストリー社が推奨するスウェーデン発の“プラスエナジーハウス”を目指すことにしました。
プラスエナジーハウスは名前通りで「使用する全てのエネルギーよりも、生み出すエネルギーの方が大きくないといけません」しかも、その生み出すエネルギーは太陽光発電の場合は5kw以下という比較的少量でなければならないのです。
それは、当然といえば当然のことですが、発電量の上限が無ければ凄く浪費する建物でも適えることが出来ますもんね。
それを踏まえてコンセプトハウスの太陽光発電は4.88kwに定めました。
計画中も工事中も、“本当にプラスエナジーになるのかな?”とか“本当にエアコン1台だけで過ごせるのかな?”といった疑問や不安がずっと頭の中を巡っておりました。
それで、やっと完成まで到着し、いよいよ体感することになります...
完成したのは2015年2月下旬で、まだまだ寒い日が続いており体感での確認が丁度出来る時期でした。
エアコンの暖房を始動して、とりあえずは着けっ放しで使用することは教えてもらっていたので言われる通りにやってみました。
翌日、室温はどんな感じかなと思って建物に入ってみました。「あれ、寒くないけど暖かくない。これ、アカンのかな。」なかり不安でした。
次回につづきます。
蘆塚
2020.03