基礎外断熱、熱橋以外のメリットとリスク回避
前回に続き基礎外断熱についてお話します。
熱橋(ヒートブリッジ)が出来にくい事がメリットと前回お伝えしましたが、他にもあるメリットをご紹介します。
<気密処理が比較的簡単>恐らく基礎外断熱に興味を持たれている段階で高気密高断熱住宅にしたいと思われているはずです。その際に気密処理は当然必須になりますが、床断熱に比べると、その処理はだいぶ楽になると思われます。それは、基礎外周面とベース下に断熱材を隙間なく連続させて施工するので、もともと気密処理を行う取り合い箇所が少なく隙間が出来にくい構造となります。一方の床断熱は、取り合い箇所が多く基礎外断熱から比較すると気密処理は少し難易度が高いとなります。
<断熱性能を上げやすい>
余程の狭小地で建物周辺の空きが少ない場合はあてはまりませんが、そうでない場合は、性能を上げる=断熱材を厚くする 事がしやすいです。
基礎外断熱では、外周面の外側が分厚くなるだけですので他の部分にあまり影響がでません。基礎の断熱材が分厚いという事は、外壁の付加断熱も相応に厚くなっているはずですので納まりの上も問題ないと思います。
しかし、基礎内断熱や床断熱では、断熱材が厚くなれば床下や床上のスペースが削られる事になりますので、人通や配管経路、高さの問題で少なからず影響はでてきます。
次に、前回にお伝えしていたシロアリ対策としては、下記事項などを確実に行ってリスク回避をしていきたいです。
1.防蟻性能を持つ断熱材の使用
あしづかホームでは、パフォームガードというホウ酸を含有させたEPS断熱材を使用しております。熱伝導率も0.034w/(m・K)と断熱性能も高水準です。
2.断熱材の保護等
パフォームガードの防蟻性能は長期間紫外線や雨にさらされるとホウ酸成分が溶脱する恐れがあるため施工には適正な保護が必要になります。外部面は施工後早期に保護材料を塗る事が必要になり、又、断熱材同士の接合部や配管貫通部分の隙間は専用の防蟻性能を有するシーリング材の使用などを徹底しなければいけません。
3.蟻返し
1、2のように防蟻対策をとっていても万が一に断熱材にシロアリ被害が発生した場合に備えて銅板を用いた蟻返しというものを断熱材天端に施工します。これは、土台(木材)までにはシロアリが到達しないようにする為のものです。
細かくは、他にも気を使っている箇所はございますが、以上が主な項目になります。
基礎断熱に限らず、お家を建築する際は安心できる方法を選択していきたいものです。
蘆塚
2019.06